カスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)とは?基礎知識と事例を解説

2022.10.17

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

企業として、ライバルに負けない競争力を身に付けるためにキーワードとなるのが「カスタマーエクスペリエンス」です。

近年、耳にする機会も増えている言葉ですが、「具体的になにを示しているのかわからない…」という方も意外と多いのではないでしょうか。

カスタマーエクスペリエンスの基礎知識から、企業価値を高めるためのポイントを紹介します。

カスタマーエクスペリエンスについて、またこれから先、具体的になにをするべきなのかについて、事例をもとに詳しく学んでいきましょう。

 

目 次

  • カスタマーエクスペリエンスとはなにか
  • 顧客体験価値を向上させるポイント
  • カスタマーエクスペリエンス向上事例
  • まとめ

 

カスタマーエクスペリエンスとはなにか

 

カスタマーエクスペリエンスとは、「顧客体験価値」と訳します。

英語のCustomer Experienceから、「CX」と表現されることもあります。

特定の商品やサービスを購入・利用するまでには、私たちはさまざまな「体験」をします。

 

・どれを購入しようかと悩む

・インターネットサイトを覗く

・口コミをチェックしてみる

・実際に企業に問い合わせをしてみる

・お店に行って購入する

・店員の接客を受ける

・実際の商品やサービスを利用する

 

このような「体験」のすべてが「顧客体験」であり、ここに価値があると考えるのがCXの基本となります。

 

私たちにとって、商品やサービスを購入・利用する過程でさまざまな体験をすることは、ある意味で当たり前の出来事だと言えるでしょう。

 

普段、こうした体験の一つひとつを意識する機会は少ないかもしれません。

しかし、もしも特定の企業において満足できない体験をしたとしたら、再度その企業や商品を利用しようと思うでしょうか。

反対に、「他のお店で購入した方が安いのはわかっているけれど、ここのお店の方が安心だから」という理由で、購入するお店を選択する場面もあるでしょう。

 

サービスや商品そのものに差を付けるのが難しくなっている今、「購入や利用といった各種体験を通じて、満足感や幸福感を与えてくれるところを積極的に選びたい」と考える消費者が増えてきています。

 

企業にとっては、商品の質や価格だけでは、もはや勝つのが難しいという事実を示しています。

こうした状況の中、CX向上に向けて具体的な取り組みをスタートする企業が増えてきているのです。

 

 

顧客体験価値を向上させるポイント

 

 

顧客体験価値を向上させるポイントは、一連の流れの中で顧客が抱える「不満」にあります。

顧客が暗に抱えている不満を突き止め、それを解消することでCX向上につなげていけるでしょう。

 

たとえば、「商品の比較検討をしたいのに情報が見つからない」という不満がある場合には、これまで以上に積極的に情報を開示し、プロモーション活動をする必要があるでしょう。

 

「従業員の接客に問題がある」というケースでは、従業員教育を徹底させるほか、人的リソースの適正配置についても検討する必要があります。

 

「商品購入後のフォローが少ない」と感じている顧客に対しては、定期的に状況をお伺いできるようなシステムを構築することで、CX向上につなげられる可能性があるでしょう。

 

顧客体験価値を向上させるポイントは、企業にとって異なるというのが実情です。

 

具体的な改善ポイントを知るためには、消費者目線で比較・検討からアフターフォローまで、一連の流れを明確化してみるのがおすすめです。

 

その過程で、自社に今足りていないものや解決するべき課題を明らかにできる可能性があります。

また、自社商品のターゲットを明確化すれば、その人が必要としているものや条件も見えてくるでしょう。

 

違った切り口から、顧客体験価値の向上を目指していけます。

 

 

カスタマーエクスペリエンス向上事例

 

最後に、実際の企業におけるCX向上事例を紹介します。

 

生命保険会社A社では、保険申し込み時に必要な告知内容・健康診断書の査定業務に、AIを導入しました。

AIが自動的に査定できる仕組みを整えたことで、申し込みから契約完了までの時間の大幅な短縮に成功しました。

 

「契約完了まで待たされる時間が少ない」「ストレスや不安を抱えにくい」など、CX向上に役立っています。

 

プロスポーツチームでは、ファンクラブ会員数を伸ばすため、CX向上に取り組みました。

具体的には、顧客がファンクラブに求める要素をリサーチし、要望に沿ったイベントやサービスを企画。

 

選手と触れ合う機会を増やしたり、地方ファン向けの限定アイテムを用意したりすることで、会員数を大幅に伸ばしました。

 

 

まとめ

 

消費者の意識がモノよりコトに向かいつつある今、カスタマーエクスペリエンスは、これから先の社会を生き抜く上で欠かせない要素だと言えるでしょう。

単純に「モノを提供すれば良い」という時代は終わりを迎え、「どう提供し、どう満足度を高めるのか?」について、より真剣に考えるべき時代が到来しています。

 

「CX向上のために、どのような取り組みを行うべきかわからない」という方には、ソリューションの一つであるCOMITXを導入するのがおすすめです。

 

ビジネスアナリストと共に、さまざまな視点からCX向上を目指していきましょう。