ビッグデータの意味と活用方法とは?業界別事例をご紹介

 公開日:2022.08.08

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。

近年、注目度が上昇しているビッグデータ。

特に企業がより成長していくためには、ビッグデータの活用が鍵になると言われています。

そもそもビッグデータとはどのようなもので、それを多くの企業が活用する理由はどこにあるのでしょうか。

実際の活用事例などをもとに、ビッグデータの重要性について、わかりやすくお伝えしていきます。

目 次

  • ビッグデータとは
  • 企業がビッグデータを活用する理由
  • 業界別の活用事例をご紹介
  • まとめ

ビッグデータとは

ビッグデータとは、日々さまざまな活動の中で膨大に生成・蓄積される、あらゆる種類・形式のデータを指します。

ビッグデータと聞くと、「膨大な量のデータ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし「量が多い(Volume)」というだけでは、ビッグデータの条件を満たしません。

量とともに「種類(Variety)」と「発生頻度・更新頻度(Velocity)」をも満たすことで、初めてビッグデータとして認められます。

これらの3つの「V」がポイントになるという点を頭に入れておきましょう。

ITテクノロジーの進化により、ネットワークは高度化し、各種デバイスもより身近になってきています。

こうした状況だからこそ、入手できるのがビッグデータです。

日本でビッグデータが注目され始めたのは、2010年頃でした。

多様なデータを収集して分析できる環境が整ってきたことにより、「ビッグデータを活用して成長につなげよう」と考える企業が増えてきています。

企業がビッグデータを活用する理由

では、なぜ多くの企業が、ビッグデータを活用すれば自社の成長につながると考えているのでしょうか。

種類や頻度、量という条件を満たしたビッグデータを解析すれば、企業はその中から、自分たちにとって必要な情報を見つけ出せます。

過去のデータには、未来の成長へとつながるヒントが数多く眠っています。

どのような層の人が、どのような嗜好を持つことで購買活動に結び付いているかがわかれば、その分析結果に基づいた効果的なマーケティング活動を行えるようになるでしょう。

過去の傾向を分析すれば、精度の高い未来予測が可能となります。

これまで多くの企業では、未来予測に対して「経験や実績に基づく勘」を重視してきたと言えるでしょう。

勘に頼らず、データに基づいた、より正確な情報を得られる点が、企業にとってのビッグデータの魅力です。

以前よりも非常に速いスピードで、ビジネスの仕組みそのものが変化している今、企業に求められるのは柔軟な姿勢です。

とはいえ、どう変化するかわからないものに対して、柔軟な姿勢で対応するのは難しいでしょう。

ビッグデータを活用し、精度の高い未来予測が可能になれば、それは企業にとって強みとなります。また、変化に対する準備にもなりうるでしょう。

ビッグデータ活用して得られた未来予測を生産性向上につなげようとする企業や、新規ビジネスの発掘につなげようとする企業が多く見られます。

業界別の活用事例をご紹介

ビッグデータの活用について、より具体的にイメージしていただけるように、業界別の活用事例を紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

★医療現場

2018年に日本医師会が発表した報告には、医療ビッグデータは患者の疫病予防のために有効であると記されています。

医療機関が得られた受診患者の情報をデータ化し、それを蓄積すると、ビッグデータとして活用できます。

同じような疾患・症状で悩まされる患者の情報を集めて分析することで、その病気の進行具合や今後の予測を立てやすくなるでしょう。

また日本医師会においては、すでに「ORCAサーベイランス」を実施しています。

全国約5,000カ所の医療機関からデータを収集し、感染症などについてリアルタイムに観測しています。

インフルエンザや手足口病、熱中症など、全国的に注意が必要なリスクに対して、その発生動向を報告することで、予防に役立てています。

参考:日本医師会「日本の医療ビッグデータの利活用 生涯保健情報統合基盤の進捗状況報告」

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/dai5/siryou7.pdf

★流通業

流通業では、ビッグデータをあらゆる方面に活用しています。

特にビッグデータの活用が進んでいるのは、プライベートブランド商品の開発や商品調達、在庫管理の分野においてです。

ニーズの高い商品をプライベートブランド化することで、売上アップを狙っています。

アンケート調査の回答者76.1%が、「ビッグデータの活用によって、プライベートブランド商品の売上が向上した」と回答しています。

ビッグデータを活用すれば、高精度なニーズ予測に合わせて、仕入れや在庫管理を行えるようになります。

同回答者の61.5%が、「利益増加に効果があった」と回答しました。

参考:株式会社野村総合研究所

「データの高度な利活用による業務・サービス改革が

我が国経済及び社会に与える波及効果に係る調査研究報告書」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei//linkdata/h26_06_houkoku.pdf

ビッグデータ活用によって、より無駄のない経営が可能になっています。

まとめ

ビッグデータをどう活用するかは、企業によって異なるものです。

その意味を理解したうえで、ビッグデータを上手に扱えるようになれば、自社の強みを見つけられるのではないでしょうか。

すでにビッグデータを活用してチャンスにつなげている企業が多いからこそ、まだ活用されていない方は積極的に検討してみてください。

ビッグデータ活用の具体的な方法については、COMITXがサポートいたします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。