RPA×AIでさらに広がる自動化の可能性について解説

2022.07.11

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

繰り返し行う必要があるルーティンワーク。

その業務効率向上のために、RPAを導入する企業が増えてきています。

RPAをうまく活用することで、ヒトの業務負担を減少させ、企業としての競争力向上へとつなげていけるでしょう。

そんなRPAは、AIと組み合わせることで、さらなる進化が可能です。

RPAとAIの違いから、両方を組み合わせて導入するメリットや活用事例について解説していきます。

 

目 次

  • RPAとAIの違いについて
  • 得意領域の融合で自動化を強化
  • AI搭載RPAの活用事例
  • まとめ

 

RPAとAIの違いについて

 

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略称で、これまでヒトが行ってきたコンピューター上の業務をデジタルロボットに代行させるためのソフトウェアを指します。

たとえば、データ入力や情報の転記、リスト作成や支払い業務の実行など、決まった手順で行う定型業務を得意としています。

 

RPAと混同されやすいのがAIですが、こちらはアーティフィシャル・インテリジェンスの略です。

AIが得意とするのは、人間の知的な行動を再現することです。

機械学習と深層学習という2つの機能が生まれたことで、まるで人間のように判断して区別したり、推察したりできるようになっています。

 

AIの仕事が人間の「脳」だとすると、RPAの仕事は「手足」です。

RPAに仕事をさせるためには、人間があらかじめ指示を出し、「脳」の役割を果たさなければなりません。

何の指示も出さないままRPAに普段とは異なる仕事を与えれば、対応できないでしょう。

AIとRPAの両方をうまく活用するためには、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

 

得意領域の融合で自動化を強化

 

 

混同しがちなRPAとAIですが、それぞれの得意領域が異なっています。

近年注目されているのが、RPAとAIの得意領域を融合させて、ビジネスの現場で活用するという方法です。

業務の自動化に役立つRPAですが、実際の業務で活用できるシーンは限られています。

RPAを効率良く動かすには、ヒトが周辺環境を整えていく必要もあります。

しかし、RPAにAIを組み合わせれば、ヒトの代わりに判断・区別・推察をする手段を得て、効率良く動くようになるでしょう。

AIが自ら判断した情報をもとに、RPAに対して直接指示を出せるように設計すれば、これまでよりも自動化できるプロセスの範囲を広げられるのです。

 

AI×RPAの仕組みが特に注目されているのは、データエントリー業務におけるAI×OCRです。

画像から文字情報を読み取るツールであるOCRにAIを組み合わせることで、文字や数字の読み取り精度が格段に向上しました。

さらにAIの特徴をうまく活用してRPAと連携させることにより、読み取りから入力、仕分けといったプロセスまでを自動化できるようになります。

 

AIが出す詳細な指示によって、RPAはこれまで以上に効率的に稼働するでしょう。

また、RPAの仕事結果に対して、AIはさらなる処理を加えられます。

AIとRPAは、それぞれまったく異なるものだからこそ、両者を組み合わせて利便性向上を目指していけます。

 

AI搭載RPAの活用事例

 

定型業務に強いRPAにAIを搭載して、柔軟な対応を可能にしようという取り組みは、近年活発になってきています。

数多くの現場で、すでにAI搭載のRPAが活躍しています。

 

たとえば地方自治体の中には、ペーパーレス化に向けて取り組むために、AI×OCRを導入するケースが多く見られます。

これまで、紙媒体として保管されていた大量の情報をAI×OCRによってデータ化することで、情報管理の手間を軽減し、さらに住民の利便性向上にも役立っています。

AI×OCRで読み取った情報は、RPAシステムを使って処理することが可能です。

大量の情報を効率良く処理していくでしょう。

 

銀行においては、さまざまな帳票で管理されている顧客情報をどのようにして合理化していくかが問題になっていました。

そこで、依頼書や申込書の読み取りから情報処理までのプロセスに、AIとRPAを導入。

これによって、異なる帳票からでも問題なく情報を読み取れるようになり、RPAを使った処理もスムーズに進められるようになっています。

顧客情報のスムーズな入力が可能になったため、業務の自動化が進み業務効率が向上しました。

 

その他の会社においても、「従来のRPAでは対応できなかったような少し複雑な業務」に対して、AI搭載RPAで解決しようという動きが進んできています。

これまで「無理だろう」とあきらめていた仕事に、AI搭載RPAでの対応を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

 

業務品質や業務生産性の向上、長時間労働への対策など、現代企業は数多くの課題を抱えています。

これらの課題に対するソリューションとして期待されているのがRPAであり、AIであると言って良いでしょう。

RPAやAIを活用し、課題解決に向けて具体的な取り組みを行う企業が増えてきています。

RPAやAIの導入について積極的に検討されたいのであれば、COMITXにお任せください。