SaaSの仕組みと導入におけるメリット・デメリットを解説

2022.05.30

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

業務効率化を進めていく上で、IT化は避けられないものです。

とはいえ、「ITの専門用語が分からないために、説明を理解できない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

今回紹介するのは、最近耳にする機会も増えている「SaaS」に関する基本知識です。

SaaSとはどのようなもので、PaaSやIaaSとの違いはどこにあるのでしょうか。

 

導入時に気になるメリット・デメリットまで、わかりやすく解説します。

 

目 次

  • SaaSの基本知識
  • PaaS・IaaSとの違いについて
  • 導入にあたってのメリットとデメリット
  • まとめ

 

SaaSの基本知識

 

SaaSとは「Software as a Service」の頭文字を取った言葉で「サース」と読みます。

 

コンピューターを自分の思い通りに動かすためには、各種ソフトウェアが必要になります。

たとえば、会計業務を行う場合には会計ソフトが、文書作成を行うためには文書作成用ソフトが必要です。

ソフトウェアは「パッケージ版」として販売されたものを購入し、利用するスタイルが一般的でした。

 

しかし、こうした流れに変革をもたらしたのがSaaSです。

 

SaaSでは、顧客向けのソフトウェアをインターネットを通じて提供しています。

ソフトウェアがあるのは、ベンダーが提供しているクラウド上です。

 

インターネットを通じてそこにアクセスすることで、私たちは自由にソフトウェアを利用できる仕組みになっています。

「SaaSと聞いてもあまり馴染みがない」と感じている方の中にも、クラウドメールを利用した経験がある方は多いのではないでしょうか。

 

 

 

クラウドメールは自身のIDとパスワードさえわかっていれば、どんな端末からでもメールボックスにログインできます。

これは必要なソフトウェアがクラウド上に用意されていて、私たちは会員登録によってそこにアクセスする権限を与えられているからです。

 

SaaSの場合、必要なデータはクラウド上に保管されているため、手元のデバイスが故障しても問題ありません。

別の機器からでも、必要な情報さえそろっていれば、以前と同じ環境で業務をスタートできるでしょう。

 

またインターネットがあれば、どこからでも情報の訂正・共有が可能です。

このような特徴に魅力を感じ、SaaSの導入を検討する企業も増えてきています。

 

PaaS・IaaSとの違いについて

 

 

SaaSとよく似た言葉に、PaaSやIaaSがあります。

 

PaaSとは「Platform as a Service」の略で「パース」と読みます。

アプリケーションを実行するためには、ネットワークやOS、サーバーシステムといったプラットフォームが必要です。

 

こうしたプラットフォームまでを、クラウド上で一括して提供してくれるのがPaaSの特徴です。

 

PaaSは、SaaSの考え方をさらに進化させたものです。

広く開放されたプラットフォーム上に、それぞれの企業が独自のサービスを開発できるようになっています。

 

一方でIaaSは「Infrastructure as a Service」の略。

読み方は、「イアース」または「アイアース」です。

 

情報システムを稼働させるためには、ネットワークやサーバーシステムといったインフラが必要ですが、これらも含めてインターネット上のサービスとして提供しています。

 

自由度が高い反面、サーバーの管理や運用には高い知識とスキルが必要です。

一方で、低コストかつベンダー任せでインフラを運用できるというメリットもあります。

 

PaaSもIaaSも、「インターネットを通じて提供されるサービス」という点においては共通しています。

提供されるサービスの内容が異なるという点を、頭に入れておきましょう。

 

導入にあたってのメリットとデメリット

 

近年注目されているSaaSですが、導入によって得られるメリットもあればデメリットもあります。

両者を正しく知った上で、慎重に判断していきましょう。

 

SaaS導入のメリットは、以下の通りです。

 

・ソフトウェアの開発コストを抑えられる

・検討から導入・運用まで、スピーディーに進められる

・管理の手間がかからない

・ランニングコストが安い

 

SaaSでは、クラウド上であらかじめ提供されているソフトウェアを利用します。

自社システム開発の必要がなく、コスト削減・準備期間の短縮につなげられます。

またソフトウェアの管理についても、基本的にベンダー任せで可能です。

 

ソフトウェアの維持・管理にかかるコストが削減されるため、結果としてランニングコスト削減にもつながりやすくなるでしょう。

 

一方で、デメリットは以下の通りです。

 

・ソフトウェアの機能が限定的である

・使い方によっては高コストになる

 

あらかじめ提供されているソフトウェアを使用することになるので、カスタマイズできる部分が限られてしまいます。

自社の業務に合わせて最適なサービスを見つける必要があるでしょう。

またそれだけでは不十分な場合、自社業務のプロセスの方を変更しなければならないケースもあります。

またSaaSは、使った分だけ料金が発生する仕組みが多く採用されています。

使い方によっては、「かえってコストが高くついた」ということにもなりかねないので、注意してください。

 

まとめ

 

メリットも多いSaaSですが、導入時には気を付けるべき点も多くあります。

ITスキルや知識が足りていない場合には、サポートしてくれる存在を見つけるのがおすすめです。

 

COMITXでは、ビジネスプロセスとSaaSを組み合わせた、BPaaS型サービスを提供しています。

SaaSの導入はもちろん、SaaS導入をより効率よく進めていくための各種支援もお任せください。