人工知能(AI)によるAI×OCRとは?OCRとの違いをご紹介

2022.05.09

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

企業にとって欠かせない、データエントリー業務。

業務効率化や生産性向上を目指す上で、注目されているのがAI×OCRです。

そもそもOCRとはどのようなもので、AI×OCRとの違いはどこにあるのでしょうか。

 

AI×OCR導入時に知っておきたい比較のポイントとともにお伝えします。

 

目 次

  • そもそもOCRとはなにか
  • 人工知能(AI)を取り入れたAI×OCRの効果
  • AI×OCRの比較のポイント
  • まとめ

 

そもそもOCRとはなにか

 

AI×OCRを知るために、まず基本となるのが「OCR」です。

OCRとはOptical Character ReaderまたはRecognitionの頭文字を取ったもので、日本語では、光学式文字読取装置や光学式文字認識と訳されています。

 

OCRは書類などの情報を画像イメージとして取り込み、そこから自動で文字や数字を読み取るための装置です。

その歴史は意外と古く、1950年頃からすでに開発が進められていたと言われています。

 

日本で本格的に注目されるようになったきっかけは、郵便事業で実施された自動化への取り組みです。

郵便物の決められた場所に記された数字を自動で読み取り、これまで以上に素早い処理を実現しました。

 

その後、OCRは時代の流れと共に発展していきました。

製品は小型化し、読み取りできる文字の幅を広くした製品も注目を集めました。

OCRの発展により、さまざまなシーンで幅広く活用されるようになっていったのです。

 

人工知能(AI)を取り入れたAI×OCRの効果

 

 

文字や数字を自動で読み取ってくれるOCRは、私たち人間にとって、画期的なツールでした。

OCRがあれば、わざわざヒトの目で情報を確認し、ヒトの手で入力する必要はありません。

とはいえ、古い時代のOCRには、多くの課題があったのも事実です。

 

従来のOCRで読み取れる文字や数字の範囲は、ごく限られたものでした。

読み取りできない文字や数字がエラーになったり、誤字が目立ったりするケースも多かったのです。

この場合、ヒトの目と手を用いて一つ一つ訂正する必要が生じてしまいます。

業務効率化を実感できないまま、OCRを使い続ける企業も決して少なくありませんでした。

 

こうした状況を改善するために生まれたのが、AI×OCRです。

AI×OCRとは、その名のとおりOCRにAI機能を搭載したものです。

機械学習ディープラーニングを特徴とするAIなら、機械が自分で文字の特徴や癖を判断した上で、区別できるようになります。

学習すればするほど精度が高まっていきますし、異なる帳票への対応も容易です。

 

AI×OCRの登場によって、OCRを巡る状況は一変しました。

残念ながらAI×OCRであっても、最終的なヒトのチェックは欠かせないものです。

しかし、訂正の頻度や手間はOCRよりも格段に減少しています。

 

AI×OCRの導入によって、データエントリー業務はさらに効率化を進めていけるでしょう。

紙業務が多い企業ほど、AI×OCRの導入によって実感できるメリットは多くなります。

現状でOCRを導入している企業も、ぜひAI×OCRの導入について検討してみてはいかがでしょうか。

 

AI×OCRの比較のポイント

 

AI×OCRの導入を検討する上で、事前にチェックしておきたいのが比較ポイントについてです。

一口に「AI×OCR」と言っても、そのエンジンはさまざまです。

自社業務に合ったエンジンを選べなければ、「読み取り精度があまり向上しない」「ミスの発生頻度が多い」といったトラブルにつながりがちです。

 

AI×OCRを比較する際には、以下の読み取りたい文字の種類に注目してみてください。

 

・印字

・手書き

・どちらもあり

 

印字に強いAI×OCRの場合、正確さとスピードにこだわっている製品が多くみられます。

発注書や請求書など、ある程度内容が決まっていて一度に大量に処理したいデータであれば、印字に強いAI×OCRを選択しましょう。

 

一方で手書き文字は、印字された文字よりも癖が強く、また記載された内容も複雑であるケースが目立ちます。

この場合、手書き文字の読み取り精度向上に特化したタイプを選択するのがおすすめです。

 

AI×OCRの中には、印字と手書き文字の両方に対応できるような製品もあります。

どちらも混在している書類を読み取りたい場合は、こうした製品をチェックしてみてください。

 

このほかにも、以下の点に注目してみてください。

 

・自動読み取り前の事前設定が簡単にできるかどうか

・自動で帳票を仕分ける機能が必要かどうか

・読み取りデータは扱いやすいか

・セキュリティ対策は万全かどうか

 

またAI×OCRで読み取った情報をチェックする余裕がない場合は、デジタルBPO化を検討するのがおすすめです。

株式会社InfoDeliverのCOMITXなら、AI×OCRの導入はもちろん、業界・業務専門のオペレーターによる最終チェックまでお任せできます。

 

まとめ

 

OCRとAI×OCRについて、それぞれの特徴や違いについてまとめました。

AI×OCRは、紙業務が多い企業の業務効率化に役立ってくれるでしょう。

一言でAI×OCRと言っても、その特徴はさまざまです。

自社に適したエンジンを選定するためには、事前確認が欠かせません。

COMITXをご利用いただければ、お客さまそれぞれの環境・課題を確認した上で、適切なAI×OCRの選定からサポートいたします。

ぜひお気軽にご相談ください。