人工知能(AI)の導入メリットと課題とは

 公開日:2022.04.25

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。

私たちの生活にとって、なくてはならないものになりつつある、人工知能(AI)。

ビジネスにおいても、それは例外ではありません。

人工知能を活用することで、業務の効率化や生産性向上の実現も可能になるでしょう。

とはいえ、「人工知能が具体的にどのようなものなのか、まだよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか。

人工知能に関する基礎知識やメリット、導入事例などについて学んでいきましょう。

目 次

  • 人工知能(AI)の成り立ちと現在
  • 人工知能(AI)のメリットと企業の導入事例
  • これからの人工知能(AI)の課題とは
  • まとめ

人工知能(AI)の成り立ちと現在

人工知能とは、「人間独自の知的な行動の一部を、コンピューターシステムによって人工的に再現したもの」を意味する言葉です。

「Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)」という英単語の頭文字から、「AI」とも呼ばれています。

AIの歴史は意外と古く、第一次AIブームと呼ばれる流れが起きたのは1950年代から1960年代にかけてのことでした。

「人間のように考える機械」を目指し、その研究は活発化。

その後、1980年代の第二次AIブームを経て、現在は第三次ブームの時代が到来していると言われています。

第三次AIブームのきっかけになったのは、「機械学習」と「ディープラーニング」という2つの仕組みの誕生です。

機械学習とは、AI自身が情報を選り分けられるよう、学習することを指します。

これによって、大量のデータをAIに自動で判断・予測させられる環境を実現できました。

一方でディープラーニングとは、データや物事の特徴を、人工知能が自動で見つけ出せる仕組みを指します。

これまで、コンピューターに何かを判断させるためには、そのポイントとなる情報を、人間が事前に登録しなければいけませんでした。

特徴を把握できていなければ、コンピューターが自分で判断することはできません。

これがコンピューターを使用できるシーンが限定的になってしまう、一つの大きな原因でした。

ディープラーニングが可能な人工知能が登場したことによって、未知の情報に接したときでもその特徴についてAI自身が見つけ出せるようになりました。

これら2つの仕組みが登場したことによって、人工知能の歴史は非常に大きく進歩したのです。

人工知能(AI)のメリットと企業の導入事例

今、私たちの生活の中で人工知能が注目されているのは、さまざまなメリットが期待できるからです。

特に企業においては、人工知能の活用によって労働負担の軽減や生産性の向上ができると注目されています。

2つの企業の導入事例から、人工知能導入メリットを探っていきましょう。

★生命保険会社A社が採用したAI×OCR

大量の紙業務に悩んでいたA社では、より効率的なデータエントリー業務を実現するためAI×OCRを導入しました。

AI×OCRとは、従来のOCRにAIを組み込んだ新しいツールです。

従来のOCRでは不可能だった手書き文字やフォーマットの異なる帳票の読み取りも、AIのディープラーニングによって自動で対応できるようになりました。

AI×OCRの導入によって、A社が抱えていたデータエントリー業務の負担は格段に軽減しました。

スタッフの負担を軽減すると共に、入力されたデータをもとにより素早い顧客対応が可能になりました。

★金融業B社が採用したAI×不正監視システムの構築

B社では、クレジットカードの不正利用を素早く察知できるよう、AIを活用したシステムを導入しました。

顧客それぞれのカード利用状況から、危険度の高い行動をAIが自動で検知してくれます。

大量のデータをAIが自動で判断するからこそ、不正を素早く見つけられるようになっています。

AIを導入したことでAI自身が学習し、さらに精度・対応力を強化できるという点もB社にとっては非常に大きなメリットと言えるでしょう。

これからの人工知能(AI)の課題とは

今注目されている人工知能(AI)ですが、その仕組みはまだ完全ではありません。

人工知能が導き出した答えであっても、常に正しいとは限らないでしょう。

また「AIが出した結論は、道徳的・倫理的に正しい判断なのか。」という点も考慮すべきです。

ビジネスの現場における課題は、人工知能の導入がまだまだ進んでいない点が挙げられるでしょう。

株式会社MM総研によると、2017年度の国内AIビジネス市場規模は2,568億円でしたが、AI技術をビジネスに導入している企業は、わずか4.4%にとどまりました。

参考:株式会社MM総研

https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=317

「AI」という言葉を聞いたことはあっても、何をどう導入すれば良いのか、それによってどんな変化がもたらされるのか、「よくわかっていない」というケースも多くみられます。

また、絶えず成長を続ける人工知能は、いずれ人間の知能を超えるだろうと予想されています。

その予想タイミングから「2045年問題」と呼ばれていますが、その影響はまだまだ未知数です。

私たちがAI技術とどう向き合いどう活用していくのかが、今後の課題と言えるでしょう。

まとめ

今回は人工知能についてまとめました。

機械学習とディープラーニングによって、人工知能はさまざまな場所で活躍するようになってきています。

企業としても積極的な導入によって、業務負担の軽減・業務効率アップなどさまざまなメリットを実感できるようになるでしょう。

株式会社InfoDeliverのCOMITXでは、AIデータエントリーで業務の効率化をサポートしています。

「大量の紙業務をAIで解決したいが、具体的にどうすれば良いのかわからない」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。