なぜ企業はBCP対策をするべきなのか

2021.07.19

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

各企業が、積極的に策定するべきと言われているBCP。

とはいえいざ実行に移そうと思えば、さまざまな手間やコストがかかるものです。

「そこまでしてBCP対策を行わなくてはならないのか?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか?

BCPが推進される社会的な背景から、策定によって得られるメリット、対策する上での具体的なポイントについてお伝えします。

 

目 次

  • クラウド化の課題とメリット
  • コストダウンを狙った失敗例
  • 業務別導入事例の紹介
  • まとめ

 

BCPが推進される社会的背景

 

今BCPが注目される理由は、その必要性が増しているからです。

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、危機的状況に直面した際も事業を継続できるようあらかじめ定めておく計画のことです。

現代の日本においても、企業が危機的状況に晒されるさまざまな事態を想定しておかなければなりません。

言うまでもなく日本は災害大国で、甚大な被害をもたらす大地震も定期的に発生しています。

日本で事業を営む以上、どこにオフィスを構えていても、地震リスクをゼロにすることはできないでしょう。

 

また近年、ゲリラ豪雨や超大型台風など、これまでにない自然災害も増えてきています。

企業として何も準備していなければ、貴重な人命が失われたり、経営基盤が傾いてしまったりするリスクがあります。

 

現在世界が直面している新型コロナウイルスの感染拡大も、まさに危機的状況の事案の一つです。

BCP対策として、ペーパーレス化やクラウド化を積極的に推進してきた企業ほど、在宅ワークへの移行をスムーズに進められました。

 

「危機的状況」というものがこれまで以上に身近になっている今だからこそ、BCPへの注目度はより一層増してきています。

 

 

BCPを策定することで得られるメリット

 

BCPを策定すれば、「危機的状況においても、素早く適切に対処できる」こと以外にも、さまざまなメリットが生まれます。

次に3つのメリットを紹介します。

 

★社会的信頼が得られる

BCPを策定し、それを広く公開すれば、企業に対する社会的信頼度は高まるでしょう。

有事の際にも社会的責任を果たそうとする企業姿勢は、世間からも高く評価・支持されるものです。

企業イメージの向上にもつなげられます。

 

またBCPの重要性が広く知れ渡った今、「危機的状況への対策がきちんと整っているか」という点が、取引先を選ぶ際の選定基準になってきています。

社会的信頼度が果たす役割は、決して小さいものではないのです。

 

★重要業務の見極めができる

BCPを策定する上で欠かせないのが、「いざという場面でも優先すべき重要業務の選定」です。

現在、業務効率の改善に取り組む企業にとって、このステップは非常に重要な意味を持ちます。

企業としてさらに成長していくために、どの分野により一層注力するべきか、「見える化」することになるのです。

 

★ペーパーレス化やクラウド化の推進

BCP対策の一環として、これまでの紙業務やオンプレミスを見直そうとする流れも加速しています。

ペーパーレス化やクラウド化が進めば、オフィスに縛られない仕事環境を実現できます。

自宅や取引先でも自由にデータを閲覧・作成・加工できるようになれば、業務効率の改善につながるでしょう。

紙業務がなくなれば、紛失・汚損リスクの低下、紙媒体にかかるコストの低下にもつなげていけます。

 

 

BCP対策の具体的ポイント

 

ではここからは、BCP対策の具体的なポイントについて見ていきましょう。

意識するべきポイントは、以下の5つです。

 

・基本的な方針を決定する

・優先するべき業務の順位を検討する

・予測される被害の程度を想定する

・非常事態や防災等への事前対策を実施する

・マニュアルを作成する

 

誤った方法でBCP対策を行っても、いざと言う場面で適切に機能しない形だけの計画になってしまうでしょう。

緊急時だからこそ、全ての対応をカバーするのは不可能です。

基本的な方針を決定した上で、優先順位の高いものから対策していきましょう。

一言で「危機的状況」と言っても、実際のところ事態の局面はさまざまです。

難しいポイントではありますが、できるだけ多くのリスクを考慮した上で、特に頻度が多いと思われるものを優先的に対策するのがおすすめです。

さまざまな視点と情報をもとに、実現可能な計画を立てていきましょう。

 

計画が立ったら、非常事態や防災等に備えた事前対策を実施します。

またいざという場面でも従業員が瞬時に情報を共有できるよう、マニュアルも作成しておきましょう。

 

 

まとめ

 

近年BCPが注目されているのは、日本企業が危機的状況に面する機会が増えているためです。

不測の事態は、いつどのタイミングで発生するかわからないものです(

だからこそ、BCP対策が重要な意味を持ちます。

 

BCP対策をうまく行えば、普段の業務にもさまざまなメリットが期待できます。

ペーパーレス化やクラウド化の推進も、その中の一つです。

「いったいどうすればBCP対策になるのか?」と悩んだときには、COMITXをご活用ください。

現場が抱える課題を解決へと導きつつ、BCP対策へとつなげていけます。