業務を標準化するメリットと進め方について

2021.08.31

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。


 

 

業務の生産性を向上するため、取り組みたい課題の一つが業務標準化です。

業務標準化とは具体的にどのようなもので、取り組むことでどんなメリットを期待できるのでしょうか?

導入の流れや成功のポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

目 次

  • 業務標準化とは
  • 業務標準化のメリット
  • 業務標準化の進め方と成功のポイント
  • まとめ

 

業務標準化とは

 

業務標準化とは、誰が業務を行っても、同じようにこなせる環境を作るための取り組みのことをいいます。

具体的には、業務のプロセスを統一し、決められた手順に沿って全員が業務を進めていくことを指します。

 

企業が大きくなればなるほど、業務の分業化が進んでいきます。

「その業務を得意な人だけに担当させる」というスタイルは、効率が良さそうに思えるかもしれません。

実際に、業務担当者のスキルはどんどん向上するでしょう。

 

しかし業務担当者以外に目を向けてみると、同程度の成果を出すのは難しくなります。

「得意な人」が何らかの事情によって担当業務から離れることになれば、その生産性は途端に低下してしまうでしょう。

業務の内容によっては、非常に大きな影響が出てしまいます。

 

こうした事態を避けるために実施したいのが、業務標準化です。

スキルアップのための転職も一般的になり、働き方改革の推進も求められる今、「特定の人材のみに頼った業務」を続けるのはおすすめできません。

業務標準化に向けて、具体的な取り組みをスタートしましょう。

 

 

業務標準化のメリット

 

 

業務標準化に取り組む上で気になるのが、そのメリットについてです。

業務標準化のメリットは以下のとおりです。

 

★メリット1「生産性向上につながる」

業務標準化によって、業務の内容や流れが明らかであれば、普段その業務を担っている人が抜けた場合でも、難なく対応が可能です。

「誰でもその業務をこなせる状態」を整えておけば、イレギュラーな事態が発生したときに、時間を無駄にすることはありません。

業務がストップしてしまう時間を、極力短くできるでしょう。

 

★メリット2「成果のばらつきを防止できる」

ヒトが業務を担当している以上、得意・不得意によって成果に差が出やすいという特徴があります。

業務の成果を均一化できるのも、業務標準化のメリットです。

統一されたプロセスで、同じように業務に取り組めば、同じ品質に仕上がるでしょう。

時間や手間の無駄を防ぎ、効率化につなげられます。

 

★メリット3「連携が良くなる」

異なる部署が複数関わる業務の場合、進め方が違っていると認識のギャップが起きやすくなります。

その点、業務プロセスが統一されていて、さらにその情報が共有されていれば、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

部署が違っていても、連携が良くなります。

 

★メリット4「従業員のスキルアップにつながる」

これまで特定の人しか従事していなかった業務も、業務標準化を実施すれば、誰でも挑戦できるようになります。

従業員それぞれのスキルアップにつなげられるでしょう。

業務プロセスが統一されていれば、新しく挑戦する人にとっても、業務内容を覚えやすくなります。

教わる側・教える側、それぞれの負担も軽減可能です。

 

★メリット5「業務プロセスのアウトソーシングが可能になる」

業務標準化によって、「誰もがその業務をできる状態」を生みだせれば、業務プロセスそのものを外部委託するという選択肢も生まれてきます。

BPOサービスを利用すれば、社内の業務負担は軽減できるでしょう。

さらなる効率化も可能になります。

 

 

業務標準化の進め方と成功のポイント

 

業務標準化の進め方は、以下のとおりです。

 

1.現場でのヒアリング

2.業務標準化の対象にするべき業務の選定

3.業務プロセスを明らかにする

4.業務プロセスを整理する

5.状況に応じてマニュアルを作成する

6.想定されるトラブルと、その解決策を考える

 

業務標準化は、何を標準化するのか決めるところからスタートします。

標準化に向いている業務を選択できれば、成功に近付くでしょう。

具体的には、以下のような条件に当てはまる業務を標準化するのがおすすめです。

 

A 担当者不在で対応に困った経験がある業務

B 業務を引き継ぐ人がいない業務

C 単純な業務

D 決まった手順で進めていける業務

 

上記のAとBは、属人化が進んでいる業務で、標準化しなかった場合のリスクが大きくなります。

また、CとDのような単純な仕事は、業務標準化による効果が大きくなるので、ぜひ検討してみてください。

 

業務プロセスの明確化・整理が終わったら、マニュアル化するのが一般的です。

ただし業務標準化の目的は、マニュアル作成ではありませんので、状況を見ながら必要かどうかを判断していきましょう。

 

 

まとめ

 

今回は、業務標準化について解説しました。

企業や業務にとってメリットも多いので、ぜひ参考にしてみてください。

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